伊藤美誠のワールドカップ銅メダルの手応と用具。「ナチュラルな回転の変化とスマッシュの打ちやすいG-1」
2025年05月16日

世界のトップランナーが用具を語った伊藤美誠と『G-1』。ワールドカップでメダルを獲得し、ドーハに向かった
4月のITTFワールドカップで銅メダルを獲得した伊藤美誠。中国から「大魔王」と恐れられた頃の強さを取り戻しつつある。そして世界選手権ドーハ大会でメダル獲得を目指してコートに立つ。
トップ選手というのは調子を落としたりすると用具を変えるものだが、伊藤美誠は自分が一度信じた用具に出会うと変えない選手だ。
発売して10年以上経つ『ファスタークG-1』(以下G-1)を使い続ける伊藤美誠。回転を駆使したドライブや変化サービスを持ちながらも、水平に振り抜く彼女のスマッシュは破壊力が抜群だ。
「回転」と「スマッシュ」という二刀流で勝ってきた伊藤美誠は用具へのこだわりも強い。そして、彼女の卓球スタイルは変幻自在だが、用具への一徹な信頼感は揺るがない。代替えのない、唯一無二のラバー。今まであまり語られていなかった伊藤美誠のこだわりを聞いてみた。
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2011年11月に『G-1』を使い始めてから一度中国ラバー(紅双喜)に変えたことはあるのですが、すぐにまた『G-1』に戻しました。それ以外にも他のラバーを試したことはありますが、それは『G-1』との違いを感じるためで、結局は変えてないですね。
他のラバーを使うとやっぱり『G-1』のほうがスマッシュがやりやすいと感じて、元に戻る感じです。
普通のラバーは回転をかけようと思ったら回転がかかるし、回転をかけないように打ったら回転がかからないのが一般的ですよね。ところが、『G-1』は回転をかけた時も相手がネットミスをすることがあります。つまり、自分の想定外のところでナチュラルな変化がつくラバーなんです。時には自分の微妙なコントロールが難しいと感じることはありますが、それ以上に相手がナチュラルな変化にミスが出てしまうのはこのラバーの魅力ですね。
プラスチックボールになってから、多くの選手は回転量を求めてきました。それ以降、ボールが上に飛んでいくようなラバーが多くなったし、ラバーを変える人が多かったと思います。私自身も他のラバーを試しましたが、ボールが上に行きすぎたり、飛びすぎてしまいました。だから私は自分で工夫ができて、自然に変化する『G-1』、このラバーがやりやすいと思いました。
私は小さい頃からスマッシュを一番重要視しています。小学生低学年の頃はしっかりとしたドライブではなく、ミート打ちとスマッシュが中心だったけれど、今はプラスチックボールに変わり、世界のプレースタイルも変化していますが、私の得意なのはスマッシュであり、いろいろな回転を出せることなので、結局、『G-1』に戻っています。スマッシュがあるからこそ、他のドライブや回転の変化が効くと思っています。
今はスマッシュと回転(ドライブなど)の変化の部分が半々ですけれど、周りの人の卓球が回転志向のプレーになればなるほど、私はあえて違う方向性で卓球をやりたい。
私は裏ソフトも表ソフトもドイツラバーが好きなんです。このラバーが良いと思ったら、結果的に長く使い続けるタイプですね。(伊藤美誠)
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輝きを取り戻す伊藤美誠。彼女の独創的なスタイルと、変幻自在の攻守を支えているのは『ファスタークG-1』だ。

ファスターク G-1
¥7,480(税抜¥6,800)
中・厚・特厚・MAX
スポンジ硬度 ドイツ基準:47.5