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大盛況の全日本ラージ。開催地の香川は今、若い選手を中心にラージ人口増加中!

2025年07月25日

 7月11〜13日、香川・あなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)で行われた『第8回全日本ラージボール卓球選手権大会』(以下・全日本ラージ)。全国から約1,300人の選手が出場し、盛大に開催された。会場のあなぶきアリーナ香川は今年2月24日にオープンしたばかりで、中四国でも最大規模の広さ。眼の前には風光明媚な瀬戸内海の景色が広がり、大会出場者を楽しませていた。

 2022年には全国ラージボール大会も開催している香川県。今回の全日本ラージ開催の経緯や、県内のラージ事情について、香川県卓球協会の野崎保夫会長にお話を伺った。

香川県卓球協会の野崎保夫会長。これまでに日本卓球協会副会長などを歴任

ー2022年の全国ラージに続いて、ラージボールの全国大会が香川県を舞台に行われます。会場のあなぶきアリーナ香川は、今年できたばかりの新しい施設ですね。

野崎保夫会長(以下・野崎):そうですね。実は3年前の全国ラージも、このあなぶきアリーナ香川で行われる予定だったのですが、施設運営の見直しによって完成が遅れ、高松市総合体育館で開催しました。四国ブロックに割り当てられる全国大会も、香川県での開催はあなぶきアリーナ香川の完成を待ってもらっている状態だったのですが、全日本ラージとちょうどタイミングが合う形で今年2月に完成し、大会開催の運びとなりました。

第8回全日本ラージボール選手権の会場となった、あなぶきアリーナ香川
会場のすぐ前には瀬戸内海の絶景が広がっている

ー6月には『百十四銀行 前期日本リーグ香川大会』もこの会場で行われましたが、大会の規模も違いますし、今大会の運営については大変な部分もあったと思います。

野崎:日本リーグさんは大会のフォーマットがしっかり決まっていて、我々も日本リーグさんの指示を受けて動く立場ですが、全日本ラージは我々が主管団体。レイアウトから全部考えていきましたが、施設についてもわからないことが多く、最初は手探りの状態でしたね。

ー大会を運営するうえで、最も大変だったのはどの部分でしょうか?

野崎:一番厳しかったのは審判員の確保ですね。これは地方の協会にとっては共通の課題だと思います。特に大会初日の7月11日は平日だったので、予選リーグの3試合を交代せずにひとりで審判をやってもらったり、いろいろ大変だったと思います。それでも四国ブロックでは、全国大会の開催時にお互い審判員を派遣してサポートする体制ができているので、何とかやっていけるという状況です。

 また、今大会は大会の進行などで、地元チームの百十四銀行のOGや監督さん、スタッフさんにも協力してもらっています。日本リーグの時は我々が協力して、今大会では百十四銀行さんのほうから協力したいということで、「お互いに協力しましょう」という形ができてきたのはありがたいですね。

審判員や運営スタッフの努力によって、全日本ラージは支えられている

ー今大会には地元・香川の選手も多く出場されています。香川県のラージ熱、ラージ事情はいかがでしょうか?

野崎:地元大会ということもあり、今回の全日本ラージ予選の出場者数は、例年の3倍から4倍くらいに増えましたね。香川県卓球協会では、10年以上前からラージボール団体リーグ大会を前・後期制で開催しているのですが、大会を重ねるごとに出場者数が増え、現在では300人を超えています。

 県内でもラージの裾野は非常に広くなってきている。最初はラージをどう普及させるか、いろいろと考えていましたが、今は何もしなくてもどんどん広がっていく感じです。大きな特徴は、最近になって若い人たちがラージをやるようになったこと。ラージ団体リーグでも、若い人たちがチームを作って新しく参加して、一番下のリーグからどんどん上がっていくケースもあります。

 やはり若い子たちはパワーがあるし、最近はラージの用具も進化しているので、プレーを見ていても硬式と変わらないですよね。昔のラージのイメージとは全然違う。若い子たちがプレーしているのを見ると元気が出るし、すごいなと思います。

若い選手のパワフルなプレーが、ラージに新風を吹き込んでいる。写真は一般男子シングルス3位の小林泰輝選手(SPOTTO・東京/左)と三枝晃記選手(PPD・愛知/右)

ー今大会はメインアリーナに卓球台が45台設置されました。全日本選手権の会場である東京体育館と比べても遜色ない規模で、今後も全国大会の舞台になりそうですね。

野崎:実はもともとこのあなぶきアリーナ香川には、卓球台が30台しかないんです。ニッタクさんからメインアリーナに15台、練習コートのサブアリーナに3台、卓球台を入れていただいた。そのおかげで大会の準備を進めることができました。大会使用球もニッタクさんのボールですし、大会前の準備の段階からいろいろな部分で手伝っていただいて感謝しています。

 香川県での全国大会などの開催についてもできるだけ協力していきたいですが、一方で先ほどもお話したように、審判員などの人員の確保というのは簡単な問題ではありません。今後は人員の確保も含めて、大会のフォーマットをきっちり作って、主管団体の負担を減らすための工夫も必要になってくると思います。

ー今日はありがとうございました。

大会使用球となったニッタクの『ラージ 3スター クリーン』
大会前から、香川県卓球協会のスタッフとニッタク社員が協力して準備を進めた