【鹿児島発】大野紗蘭・斗真・颯真3きょうだいの挑戦と成長
2026年01月05日
九州最南端の鹿児島県で生まれ育ち、今はそれぞれの所属チームで全国的に活躍している大野紗蘭(さら・長女/希望が丘高)・斗真(とうま・長男/野田学園中)・颯真(そうま・次男/木下アカデミー)の3きょうだい(斗真と颯真は双子)。3人の子どもたちを育てる両親に、これまでの足跡を伺った。
地理的なハンデを並々ならぬ努力で跳ね返す
大野3きょうだいは、宮崎県出身の父・正博さんと母・百合子さんの間に生まれた。正博さんは宮﨑工業高から福岡大に進み、社会人チームでもプレーした選手。百合子さんも高校まで地元の宮﨑商業高でプレーしていた。
3きょうだいのうち、まず長女の紗蘭が5歳ごろから卓球を始めた。最初は軽く遊ぶ程度だったが、紗蘭が年長になる頃、自宅に卓球台が導入されたのをきっかけに、毎日練習するようになった。その頃、3つ違いの双子の弟・斗真と颯真も、一緒にプレーを始めた。
両親が子どもたちの指導に本腰を入れ始めたきっかけは、紗蘭の活躍だった。彼女は小学1年の時に全日本選手権バンビの部(2015年)でベスト16に入ったのだが、その当時はまだそこまで根を詰めて練習していたわけではなかった。
「その時、『自分たちがもうちょっと必死でやったら優勝できるんじゃないか』って思ったんです」(百合子さん)
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ただ、正博さんも百合子さんも選手経験はあったものの、指導に関してはノウハウを持たなかった。そこで、正博さんはかねてより面識のあった福岡・石田卓球N+の「男先生」「女先生」こと石田眞行氏・千栄子氏に相談し、師事することに。約2年間、毎月のように鹿児島から片道約4時間の道のりを車で通った。
「練習内容や指導方法など、いろいろなことを参考にさせていただきました。子どもたちの練習と同時に、自分たち夫婦の勉強のために通っていた感じです」(正博さん)
それに加えて、大会参加のための遠征もたびたび行った。鹿児島ではバンビクラスの試合が少なかったため、時には大阪まで車で行くことも。3きょうだいが小さい頃は、家族全員で車中泊をすることもあったという。
その努力の成果は、確実に現れていった。まず颯真が、小学1年時に全日本バンビで2位となり、翌年にはバンビチャンピオンとなる(2018-19年)。これが、大野家にもたらされた全国初タイトルだった。19年のバンビでは、斗真もベスト8に入った。
「鹿児島には、紗蘭のひとつ下、斗真・颯真の2つ上に岩井田駿斗君(2016・17年全日本バンビ2連覇、19年カブ優勝/現野田学園高)がいて、『これぐらいできたらチャンピオンになれるんだ』という良いお手本を近くで見られた。それがモチベーションになったのも大きかったですね」(百合子さん)

颯真・斗真のライバル関係。紗蘭も着実に成長
21年の全日本カブは、颯真が2位で、斗真はベスト8。22年の全日本ホープスは、颯真がベスト4。そして、23年の全日本ホープスでは颯真が優勝して2度目のチャンピオンとなった。
双子の兄・斗真は、天才肌で要領の良い弟・颯真に比べると、何事もじっくり取り組むタイプだったというが、その努力が花開いたのが24年の全日本カデット。準々決勝で颯真との兄弟対決を制すと、そのまま優勝まで突っ走り、初の全国タイトルを獲得した。
翌25年には、全国中学校大会のシングルス準々決勝で再び兄弟対決となり、今度は颯真が勝利。準決勝と決勝も快勝し、2年生にして全中チャンピオンとなった。
同年の全日本カデットでは準決勝で3たび兄弟対決が実現し、颯真が勝って2位、斗真がベスト4という好成績。2人の弟に負けじと、長女の紗蘭も、22年全日本カデットでベスト4、23年全中でシングルス3位、25年インターハイシングルスでベスト8と、着実な成長を見せている。

3きょうだいは今、それぞれ地元の鹿児島を離れて活動している。紗蘭は小学5年で家を離れて福岡で下宿生活を送り、石田卓球N+から希望が丘高に進学。斗真は中学から山口の強豪・野田学園に通っている。颯真は小学6年から神奈川の木下アカデミーに入門。25年には世界ユース選手権U15にも日本代表として出場し、さらなる高みを目指すうえで貴重な経験を得た。
そんな子どもたちの活躍に両親は目を細めながらも、「それぞれ『頑張ってるな』とは思うけれど、『もっと頑張れるよね』と思うところもあります。颯真は特に、同年代の海外のライバルに勝てるようになってほしいですね」(正博さん)と、厳しい注文も忘れない。
また、3きょうだいに将来、どんな選手になってほしいかと尋ねると、母の百合子さんはこう話してくれた。
「主人とも話しているのですが、3人とも『応援される選手』になってくれたらいいな、と思いますね。強くなるのはもちろんですけど、強いだけじゃダメ。プレー中の態度や表情なども含めて、良い人格が備わっていないと、応援してもらえる選手にはなれない。そこは、一番大事にしてほしい部分だと思っています」

大野颯真 使用ラケット・ラバー

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大野斗真 使用ラケット・ラバー


大野紗蘭 使用ラケット・ラバー
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大野紗蘭・斗真・颯真 着用シューズ
ムービング エアロ




