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世界が変わるラケット!?「テナリー暁炎」&「テナリー蒼天」試打レポート

2026年01月28日

 握った瞬間、世界が変わったように感じるラケットがある。その名も『テナリー』。1999年に初めて登場したこのラケットは、1967年世界混合複優勝の山中教子さんが考案・開発した。

 目を引くのは、ぐにゃりと曲がったグリップ。これはラケットを握った時、腕の延長線上に自然と打球面が位置するように計算され、設計されたものだ。

 現在、ニッタクからは『テナリー』シリーズのラケットが6種類ラインナップされているが、そのうち2025年秋に発売された最新作『テナリー暁炎』と『テナリー蒼天』を試打してみたので、そのレポートをお届けしよう。
(試打・文/小川勇気=卓球王国編集部)

テナリー暁炎
木材5枚+2枚(アウタータイプ・KVC3)
重量:74±g 板厚:5.6mm
ブレードサイズ:160×148mm
グリップサイズ:93×21mm
価格:¥19,800(税抜¥18,000)

テナリー蒼天
木材5枚+2枚(インナータイプ・KVC3)
重量:80±g 板厚:5.7mm
ブレードサイズ:160×148mm
グリップサイズ:93×21mm
価格:¥19,800(税抜¥18,000)

持った瞬間に「おお!」
新感覚のテナリーグリップ

 筆者は今回が「テナリー初体験」だったが、持った瞬間に「おお!」という声が出た。思った以上に手に「ハマる」感覚。ラケットから「こう握るんだよ」と教えてもらっているかのようなフィット感だ。グリップがぐらつく初中級者などは、『テナリー』を使えば、かなり安心感が持てるのではないかと思う。

 最初は、いつもと違う打球面の位置に少しだけとまどったが、数球打つと、すぐに慣れることができた。特に良いと思ったのがバックハンド系の技術。手首をあまり曲げなくても打球面がボールのほうを向くため、とても楽だ。一般的なラケットだと、バックドライブを強振したい時や、チキータの際に、バックスイングでかなり深く手首を曲げる必要があるが、『テナリー』なら、ほんの少し手首を曲げるだけで十分なバックスイングが取れる。そのため、自然と威力も出しやすくなる。

 フォアハンドに関しては、握りが非常に安定するため、ミスが少なくなる印象。とりわけ前陣でのドライブ・スマッシュや、台上のストップ・ツッツキ・フリックといった細かい技がやりやすい。フォア・バックの切り替えも非常にスムーズなので、前陣で両ハンドプレーをする速攻タイプの選手にかなりオススメだ。

 ちなみに、『テナリー』はペン持ちもできる。親指が自然にグッと深く入る形になるので、親指を中心にラケットを操作しているペンプレーヤーなら、一度試してみる価値があると感じた。シェークのバックハンドと同様、ペンでも裏面バックハンドが非常にやりやすいのが利点。バックショートでは少しヘッドが上がる形になり、相手ボールに押されにくいのが強みだ。

『テナリー暁炎』『テナリー蒼天』
とも、本家よりマイルドな打感

 軽快な打球感と、高反発から生まれる直線的な弾道が特徴の『暁炎』と、グッと来る手応えと、しなやかさから生まれる高い弾道を特徴とする『蒼天』。これはいずれも、ニッタクのベストセラーモデルだが、「本家」(通常のシェーク/中国式ペン)と、それぞれの『テナリー』モデルには、結構な違いがある。

 まず、かなり違うのが重量だ。『暁炎』が平均82gなのに対して、『テナリー暁炎』は74g。『蒼天』が平均88gなのに対して『テナリー蒼天』は80g。これは、ブレードのサイズが縦160mm×横148mmと、やや小ぶりなことが影響していると思われる。

 試打を行ったラケットの重量(ラバー含む)は、『テナリー暁炎』が167g、『テナリー蒼天』が173gだった。いずれも、フォア面に『ファスターク G-1』特厚、バック面に『ファスターク C-1』特厚を貼ってその重さなので、かなり軽いということがおわかりいただけるだろう。

 そのせいか、『テナリー暁炎』『テナリー蒼天』ともに、本家よりも打球感がマイルドだ。『テナリー暁炎』は、「これ、ホントにアウター?」というくらいしっかりボールをつかんでくれるし、『テナリー蒼天』は、もともと食い込みの良い『蒼天』よりもさらにしなりが増していて、ボールに強烈な回転をかけることができる。

 もちろん、好みの違いはあるから、「自分は本家のほうが好き」という人もいるはずだが、同じブレードを採用しているのに、ここまで打球感や発出されるボールが違うのには驚かされた。『テナリー』効果、恐るべしである。

「副作用」にご注意!?
『テナリー』は革命だ

 そして、一番ビックリしたのは、プレー後だった。もともとの自分のラケット(通常のシェーク/ストレートグリップ)を握ってみると「歪んでいる」ように感じたのだ。『テナリー』でちょっとプレーしただけなのに、短時間で手の感覚が変わってしまった。ずっと使い続ければもっと感覚は変わり、「もう、『テナリー』以外ではプレーできない」というレベルになるのではないかと思われる。

 結論として、『テナリー暁炎』『テナリー蒼天』はいずれもユニークかつ素晴らしいラケットだ。ただ、使うのには少し覚悟が必要かもしれない。

 自らの手が『テナリー』専用になってもいい。むしろ、手の感覚をドラスティックに変えて、自分の卓球に「革命」を起こしたい。そんなプレーヤーならば、ぜひ使ってみてほしいアイテムだ。

手の感覚の戻し方!?
ちなみに、左写真のように「逆さ持ち」をしてしばらくプレーすると、手の感覚がもとに戻った。『テナリー』と普通のラケットを使い分けたい人におすすめの「裏技」だ